まな先生解説
こころ質問
すい要点整理
- 今すぐ119番
- 当日中に相談・受診する(#7119やQ助で相談できます)
- 日を決めて受診する
- セルフケアで様子を見る
注意
急な息切れや呼吸困難、胸の中央が締め付けられるような痛みが2〜3分続く、意識がおかしい。どれか1つでもあれば、この記事を読む前に119番へ連絡してください(総務省消防庁リーフレット「救急車を上手に使いましょう」の大人向け項目、https://www.fdma.go.jp/publication/portal/items/portal002_japanese.pdf 、2026年9月26日確認)。
呼吸が浅いと感じたら、まず何をすべき?
5ステップで緊急度を決める
- 赤信号を確かめる:消防庁のリーフレットが大人の「すぐ119番」の症状に挙げている項目です。急な息切れ・呼吸困難、胸や背中の突然の激痛、胸の中央が締め付けられる・圧迫されるような痛みが2〜3分続く、顔色が明らかに悪い、意識がない・おかしい(もうろうとしている)。1つでも当てはまれば119番です。
- 呼吸数を60秒数える:5分座って休んでから数えます。
- SpO2を測る:パルスオキシメーターを持っていれば測ります。SpO2は、血液中の酸素の量を示す数値です。
- COPD-PSを試す:息切れがある人向けの5問の質問票です。
- 結果をチャートに当てはめる:「ケース別の対処」にある4段階チャートを使います。
呼吸が浅い原因は?ストレス・姿勢・病気の3つに分けて考える

ストレスと過換気
注意
「ストレスのせい」と決めるのは、検査でほかの病気がないと分かってからにしてください。
姿勢や運動不足
呼吸が浅いときに考えられる病気
- 喘息:咳や、ヒューヒュー・ゼーゼーという音をともなうことがあります。
- COPD(慢性閉塞性肺疾患):体を動かしたときの息切れが目立ちます。
- 心不全・貧血:むくみや動悸をともなうことがあります。
- 感染症の後:かぜなどが治ったあとも、咳や息切れが残ることがあります。
- 気胸:肺がしぼむ状態で、急な胸の痛みと息苦しさで気づくことがあります。
睡眠中の呼吸が気になる場合
- 閉塞性睡眠時無呼吸がかくれていると、生活習慣を改善しても、休まった感じ(睡眠休養感)が十分に得られないことがある。
- 睡眠休養感が低い、日中の眠気が強い場合などは、専門医療機関での検査を勧める。
- 対策をしても睡眠休養感の低下が改善しない場合は、睡眠障害がかくれていないか医師に相談する。
- 閉塞性睡眠時無呼吸のある人は、自分の睡眠を実際より良く評価することがある。
原因別の見分け方|呼吸が浅いセルフチェック3つ
60秒で数える呼吸数セルフチェック
- 椅子に座り、5分ほど休みます。
- 胸かお腹が1回上がって下がったら「1回」と数え、60秒続けます。
- 次の表で判定します。
| 60秒の呼吸数 | 目安 | 次にすること |
|---|---|---|
| 12〜20回 | 平均的な成人の安静時の範囲(MSDマニュアル家庭版) | ほかの症状がなければ、セルフケアをしながら記録を続ける |
| 21回以上 | 範囲を上回る | 別の日にもう一度測る。上回る日が続くなら受診する(この記事の目安) |
| 回数にかかわらず、急な息切れ・呼吸困難がある | 赤信号 | 119番(消防庁リーフレット) |
SpO2(血液中の酸素の量)の見方
- 一般的に96〜99%が標準値
- 90%以下では、呼吸不全になっている可能性がある
- 体の動き、指先の冷え、マニキュアなどで正しく測れないことがある。装着後20〜30秒たってから数値を読む
COPD-PS(COPDの可能性を調べる質問票)
原因別の見分け表
| 原因 | 症状が出る場面 | 一緒に出やすい症状 | 自分でできる確認 | 受診する科の目安 |
|---|---|---|---|---|
| ストレス・過換気 | 不安な場面で急に | しびれ | 呼吸数、息を5秒以上吐けるか | 体の検査で異常がなければ心療内科 |
| 姿勢・運動不足 | 長く座った後 | 肩こり、疲れやすさ | 姿勢を直して呼吸数を測り直す | 続くなら内科 |
| 喘息 | 夜間や運動時など | ヒューヒュー音、咳 | 症状が出た時間帯を記録 | 呼吸器内科 |
| COPD | 階段や坂など体を動かしたとき | 痰、長引く咳 | COPD-PS | 呼吸器内科 |
| 貧血・心不全 | 体を動かしたとき | むくみ、動悸 | SpO2、むくみや体重の記録 | 循環器内科(貧血は内科) |
| 感染症の後 | 回復後も続く | 咳、痰、だるさ | 呼吸数、SpO2 | 内科・呼吸器内科 |
補足
この表は、どの科に行くかの目安で、診断のためのものではありません。公的資料の裏づけがあるのは、過換気のしびれ(日本呼吸器学会Q13)とCOPD-PSの判定(厚生労働省サイト掲載)で、ほかの行は一般的な説明です。
呼吸が浅い治し方は?セルフケアでできること
ゆっくり吐く呼吸の手順
- 椅子に座り、背すじを軽く伸ばします。
- 鼻から自然に吸います。無理に大きく吸わなくてかまいません。
- 可能なら5秒以上かけて、ゆっくり吐きます。
- 数分くり返します。苦しくなったら、すぐにやめてください。
姿勢と体の動かし方
- 1時間に1回は立ち上がり、肩を後ろに回す
- 画面の高さを目線に合わせて、猫背になりにくくする
- 息が軽くはずむくらいのウォーキングを習慣にする
期間を区切る
注意
喘息やCOPDの疑いがあるときは、呼吸法より先に受診してください。
ケース別の対処|緊急度判定チャートと息苦しいときは何科?
緊急度判定チャート(4段階)
- 急な息切れ、呼吸困難
- 胸や背中の突然の激痛
- 胸の中央が締め付けられる・圧迫されるような痛みが2〜3分続く
- 顔色が明らかに悪い
- 意識がない、またはおかしい(もうろうとしている)
- 手を温めて測り直してもSpO2が90%以下(日本呼吸器学会Q28は呼吸不全の可能性としています。持病のある人向け資料は、90%を下回るなら速やかに受診としています)
- 持病があり、増悪の症状があってSpO2が普段より3〜4%低い(同資料は早めの受診としています)
- 救急車を呼ぶか迷うときは、#7119かQ助で相談する
- COPD-PSが4点以上(質問票は医師に見せるよう記載)→ 呼吸器内科
- 休まった感じのない日が続く、いびきや呼吸停止を指摘された、日中の眠気が強い(睡眠ガイド2023は検査や医師への相談を勧めています)
- 呼吸数が20回を上回る日が続く、階段で息が切れる、2週間たってもよくならない(この記事の目安)
- 測り直してもSpO2が96%を下回る日が続く(この記事の目安。Q28の標準値は96〜99%)
- ゆっくり吐く呼吸を試す。紙袋を口に当てる方法(紙袋法)は行わない(日本呼吸器学会Q13)。
息苦しいときは何科?
| 主な症状 | 受診先の目安 |
|---|---|
| 咳、痰、ヒューヒュー音、喫煙歴 | 呼吸器内科 |
| むくみ、動悸、横になると苦しい | 循環器内科 |
| 不安なときのしびれ(体の検査で異常がない場合) | 心療内科 |
| どれか分からない | かかりつけの内科 |
受診時に伝えること
- いつから始まったか、急にか少しずつか
- どんな場面で起きるか(休んでいるとき、体を動かしたとき、夜)
- 呼吸数とSpO2の記録
- 喫煙歴(1日の本数と年数)
- かぜなどの後か
- 持病、飲んでいる薬
- いびきや、寝ているときの呼吸停止を指摘されたことがあるか
予防・再発防止のコツ
記録を習慣にする
禁煙
睡眠を見直す
専門家・公的情報の見解
COPDの数字から分かること
- 40歳以上の推計有病率8.6%(530万人):NICEスタディ(2001年発表、GOLD日本委員会)
- 総患者数38万2,000人:厚生労働省 令和5年(2023年)患者調査
- 死亡者数1万8,523人:厚生労働省 令和4年(2022年)人口動態統計
- 医療費1,370億円:厚生労働省 令和4年度(2022年度)国民医療費
国の目標とガイドライン
やってはいけないNG対応
| NG対応 | 理由 | 代わりにすること |
|---|---|---|
| 紙袋法で自分の吐いた息を吸う | 日本呼吸器学会Q13で「現在では行わない」とされている | ゆっくり小さく呼吸し、5秒以上かけて吐く |
| 急な呼吸困難や胸の締め付けを我慢する | 消防庁がすぐ119番を求める症状に挙げている | 119番に連絡する |
| 喫煙歴のある息切れを「年のせい」にする | 推計患者数に比べ、治療中の人が少ない | COPD-PSを試し、呼吸器内科を受診する |
| 検査の前に「ストレスのせい」と決める | 喘息や心臓の病気でも息苦しさは出る | まず体の検査を受ける |
| SpO2を1回測っただけで判断する | 体の動きや指先の冷えで正しく測れないことがある(Q28) | 手を温め、じっとして測り直す |
| 処方された薬を自分の判断でやめる | 症状が悪くなるおそれがある | 主治医に相談する |
注意
紙袋法は、古い記事にまだ載っていることがあります。情報がいつ更新されたかを確かめてください。
まとめ:数えて、測って、決める
よくある質問
呼吸が浅いのはストレスのせいですか?
息苦しいときは何科に行けばいいですか?
SpO2が96%未満なら病気ですか?
呼吸が浅いのはセルフケアで治せますか?
寝ているときの呼吸が浅い気がします。どうすればいいですか?
※本記事は一般的な健康情報で、診断や治療の代わりにはなりません。症状がある場合は、医師などの専門家に相談してください。
最終確認日:2026年9月26日




