食事・食べ方

よく噛んで食べる方法|30回が正解とは限らない?年代別7日間チェック

早食いを直したい人にも、噛む力の衰えが気になる人にも役立つ内容です。ひと口30回が全員の正解ではない理由を上越市614名の調査で説明します。年代とOF-5で選ぶ噛み方、回数を数えない7日間チェック表、受診の目安まで分かります。

よく噛んで食べる方法|30回が正解とは限らない?年代別7日間チェック
まな先生解説
こころ質問
すい要点整理
注意

この記事は一般的な健康情報です。噛みにくさ、飲み込みにくさ、歯や顎の痛みがあるときは、自己流で続けずに歯科医師や医師に相談してください。

結論:よく噛んで食べる方法は「年代と噛む力」で選ぶ

主な対象目的まずやること避けたいこと
65歳未満が中心早食い・食べ過ぎの対策ひと口を小さくし、20分以上かけて食べる回数を数えるのに疲れてやめてしまう
65歳以上が中心噛む力の維持と窒息の予防OF-5で口の状態を確かめ、気になれば歯科へ硬いものを無理に噛み続ける
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※65歳という区切りは、わかりやすくするためにこの記事で置いた目安です。年齢より、いまの口の状態を優先してください。

  1. 診断チャートで、自分のタイプ(A〜D)を確かめる
  2. タイプに合った方針を選ぶ
  3. 7日間チェックリストで、回数を数えずに実践する
  4. 気になる症状があれば、歯科や医療機関に相談する

よく噛むとは?噛ミング30と噛む回数の目安

よく噛むとは?噛ミング30と噛む回数の目安

噛ミング30とは

よく噛む効果は?研究でわかっていること

  • 体重との関係:厚生労働省のe-ヘルスネット(2020年)によると、愛知県で4,742人を調べた結果、速く食べる人ほど現在のBMIが高く、20歳からのBMIの増え方も大きい傾向がありました。エネルギー摂取量などで調整しても、この差は有意だったとされています。
  • 肥満になる割合:岡山大学(2014年)によると、早食いの大学生は、そうでない学生より3年間で肥満になる割合が4.4倍でした。
  • 食後の消費エネルギー:東京工業大学(2014年)によると、300kcalの食品をよく噛んで食べると、急いで食べたときより食後90分間のエネルギー消費が有意に高くなりました。体重60kg・1日3食と仮定した試算では、1年間で約11,000kcal(脂肪約1.5kg分)の差になるそうです。
補足

東京工業大学の年間の数字は、実験結果をもとにした試算です。だれでも1年で1.5kg減る、という意味ではありません。

噛む回数の目安は?30回が合わない人もいる

対象基準にした群結果(オッズ比)読み取れることこの記事で勧める行動
成人男性・24回以下25〜30回内臓脂肪蓄積 4.69噛む回数が少なすぎる人は注意が必要食事時間とひと口の量を整える
成人男性・31回以上25〜30回内臓脂肪蓄積 4.83/肥満 7.02たくさん噛めばよい、とは言い切れない回数より、食べる量や速さを見直す
高齢男性・31回以上30回以下やせ 9.45噛む力の衰えが隠れている可能性がある歯科で噛む力を確かめる
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注意

この調査はある一時点の状態を調べたもので、男性の結果が中心です。噛む回数が原因なのか、体格や口の状態が回数に影響しているのかは、この結果だけでは分かりません。

国の統計で見る「噛む」の現状

指標(出典・年)割合帯グラフ(1マス=10%・四捨五入)
何でも噛んで食べられる人・20歳以上(令和6年国民健康・栄養調査)85.9%■■■■■■■■■□
何でも噛んで食べられる人・70歳以上男性(同)72.9%■■■■■■■□□□
何でも噛んで食べられる人・70歳以上女性(同)71.5%■■■■■■■□□□
ゆっくりよく噛んで食べる人(第5次食育推進基本計画・令和7年度)46.2%■■■■■□□□□□
同・国の目標(令和12年度まで)55%以上■■■■■■□□□□
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始める前の準備:あなたに合う噛み方を診断する

準備するもの

  • 時計やスマホのタイマー(食事時間を測る)
  • 箸置き(ひと口ごとに箸を置く)
  • この記事の7日間チェックリスト(紙に写すか、スマホのメモで十分です)

OF-5で口の状態をセルフチェック

  1. 残っている歯の数が減ってきた
  2. 噛みにくくなった
  3. 飲み込みにくくなった
  4. 口が乾きやすい
  5. 滑舌が悪くなった(言葉がはっきりしにくい)

※各項目の正式な判定方法は、3学会合同ステートメントや歯科医院で確認してください。

「あなたに合う噛み方」診断チャート

  • Q1 年齢は65歳以上ですか?
  • いいえ → Q3へ
  • はい → Q2へ
  • Q2 OF-5の5項目のうち、2つ以上当てはまりますか?
  • はい → タイプC(「飲み込みにくさ」も当てはまれば タイプD の注意点もあわせて確認)
  • いいえ → Q3へ
  • Q3 食事時間が10分未満、または人と比べて食べるのが速いですか?
  • はい → タイプA
  • いいえ → タイプB

タイプ別の方針

タイプ方針根拠にした情報
A 早食い改善型回数より、食事時間とひと口の量を整える厚生労働省 e-ヘルスネット(2020年)、岡山大学(2014年)
B 現状維持型いまの食べ方を続け、最初のひと口の回数をときどき確かめる厚生労働科学研究・上越市調査(2010年)
C オーラルフレイル予備群硬いものを無理に噛まず、歯科を受診して食べ物の形を調整する3学会合同ステートメント(2024年)
D 窒息注意型餅やパンは小さく切り、食べるときの姿勢に気をつける。とろみなどは専門職に相談する消費者庁の注意喚起(2024年)
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早食いの治し方:よく噛んで食べる方法を7ステップで解説

7つのステップ

  1. ひと口を箸先の1/3くらいにする:口に入る量が減ると、飲み込むまでの時間が自然と延びます。
  2. ひと口ごとに箸を置く:口の中が空になるまで、次のひと口を取らないための合図にします。
  3. 汁物やお茶で流し込まない:飲み物は、口の中のものを飲み込んでから飲むようにします。
  4. 根菜・きのこ・こんにゃくなどを1品入れる:噛みごたえのある料理が1つあると、食事全体のペースが落ちやすくなります。
  5. 具材を大きめに切る:細かく刻むより、噛む回数が増えやすいとされています。
  6. 食事時間を20分以上にする:タイマーを置くと、時間を意識しやすくなります。
  7. 最初のひと口だけ回数を数える:毎回数えるのは大変なので、1食につき1回だけ数えます。
補足

20分は、この記事で採用した続けやすい目安で、決まった正解があるわけではありません。まずはいまより5分長くするところから始めてもよいでしょう。

回数を数えない「7日間チェックリスト」

実践項目月火水木金土日
①ひと口を箸先1/3程度にする
②ひと口ごとに箸を置く
③汁物・お茶で流し込まない
④根菜・きのこ・こんにゃくなどを1品入れる
⑤具材を大きめに切る
⑥食事時間を20分以上にする
⑦最初のひと口で飲み込むまでの回数(記入)回回回回回回回
その日の○の数
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  • 35点以上:習慣になりつつあります。いまのやり方を続けましょう。
  • 20〜34点:半分ほどできています。○が少ない項目を1つ選び、次の週に重点的に取り組みます。
  • 19点以下:項目を2つに絞って、もう一度始めてみましょう。

最初のひと口の回数で、自分の位置を確かめる

最初に飲み込むまでの回数上越市調査での位置づけ考え方の例
24回以下成人男性では、内臓脂肪蓄積のオッズ比が高かった群ステップ①②⑥を優先する
25〜30回成人男性で基準にした群いまのペースを保つ
31回以上成人男性では肥満、高齢男性ではやせのオッズ比が高かった群量や速さも見直す。噛みにくさがあれば歯科へ
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注意

上越市調査では煎餅を使って回数を測っています。ごはんや肉など別の食べ物では回数が変わるため、あくまで「おおまかな位置」として見てください。

続かない・数えられない…つまずきやすいポイントと対処法

つまずきよくある原因対処法
回数を数えるのが面倒毎回数えようとしている最初のひと口だけ数える(⑦)
昼休みが短く、時間がない食事に10分ほどしか取れないひと口の量と箸置きだけに絞る
外食やコンビニに噛みごたえのある料理がないやわらかいメニューが中心になっているサラダや具だくさんの汁物を1品足す
家族より先に食べ終わってしまう会話が少なく、黙々と食べている話すときは箸を置く、をルールにする
つい汁物で流し込む口の中が乾きやすい飲み込んでから飲む。乾きが続くならOF-5も確認する
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1週間で崩れたら、項目を2つに絞る

結果を体重だけで判断しない

効率化・応用のコツ:よく噛む食べ物と献立の工夫

よく噛む食べ物の例

食材取り入れ方の例気をつけたい人
ごぼう・れんこんきんぴらや煮物を大きめの乱切りで噛みにくさがある方は薄めに切る
きのこ類炒め物や汁物の具に、大きめのまま特になし(よく噛んでから飲み込む)
こんにゃく煮物に、ちぎらず厚めに切って飲み込みにくさがある方は小さく切る
切り干し大根煮物やサラダに特になし
大豆・枝豆五目豆やサラダのトッピングに高齢の方はむせに注意する
厚切りの肉薄切りの代わりに厚めのものを選ぶ噛む力が弱い方は無理をしない
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献立と食べる環境の工夫

  • 主菜か副菜のどちらかを噛みごたえのある料理にする:全部を硬くする必要はありません。1食に1品で十分です。
  • ごはんに雑穀や玄米を混ぜる:噛む回数を増やしやすい工夫としてよく紹介されています。
  • テレビやスマホを見ながら食べない:食べるペースに意識を向けやすくなります。
  • 家族で取り組む:ひとりだけで取り組むより、食べるペースをそろえやすくなります。

職場・外食での応用

補足

噛みごたえのある食材を増やす工夫は、若い世代や噛む力に問題のない方向けです。タイプC・Dの方は、次の「注意点・リスク」を先に読んでください。

注意点・リスク:高齢の方は「噛む」より安全を優先

高齢期は目的が「早食い対策」から「安全」に変わる

窒息を防ぐための注意

  • 餅やパンなど、のどにくっつきやすいものは小さく切る
  • 食べる前に、お茶や汁物で口を湿らせる
  • 背すじを伸ばした姿勢で、ひと口ずつ食べる
  • できれば、家族などがそばにいるときに食べる

歯科や医療機関に相談したい目安

  • OF-5で2つ以上当てはまる
  • 食事中にむせることが増えた
  • 体重が意図せず減ってきた
  • 入れ歯が合わない、または歯や歯ぐきが痛む
  • 飲み込んだあとも、のどに残る感じがある
注意

むせ・飲み込みにくさ・体重減少がある場合は、自己判断で噛む練習を続けず、歯科医師や医師に相談してください。食べ物のやわらかさやとろみの調整も、専門職と相談しながら決めるようにしましょう。

具体例・ケーススタディ:タイプ別の取り組み方

補足

以下は取材や実測ではなく、この記事の診断チャートを当てはめた想定例です。効果を保証するものではありません。

ケース1:40代・昼食5分の会社員(タイプA)

  • 状況:昼休みに、丼ものを5分ほどで食べることが多い
  • 取り組み:②箸を置く、⑥20分以上かける、の2つに絞る。週に何回か、丼を定食に変える
  • 確認:週ごとにチェック表の点数と、最初のひと口の回数を記録する

ケース2:50代・特に困りごとがない人(タイプB)

  • 状況:食事時間は20分ほどで、噛みにくさもない
  • 取り組み:いまの食べ方を続け、月に1回ほど最初のひと口の回数を確かめる
  • 確認:定期的な歯科健診で、歯や歯ぐきの状態を診てもらう

ケース3:70代・噛みにくさと口の乾きがある人(タイプC)

  • 状況:OF-5で「噛みにくさ」「口の乾き」の2つが当てはまる
  • 取り組み:硬い食材を増やさず、まず歯科を受診する。食べ物は小さめ・やわらかめに調整する
  • 確認:むせが出てきたら、タイプDの注意点も取り入れる

まとめ:回数より「自分に合う形」で続けよう

よくある質問

Q1. 噛む回数の目安は何回ですか?

Q2. よく噛むと痩せますか?

Q3. 早食いを治すには、まず何から始めればいいですか?

Q4. 高齢の親にも「30回噛んで」と勧めていいですか?

Q5. 噛む力が落ちているか、自分で確かめる方法はありますか?

注意

この記事は一般的な情報の提供を目的としており、診断や治療の代わりにはなりません。体調や口の状態に不安がある方は、歯科医師・医師などの専門家に相談してください。

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