注意この記事は一般的な健康情報の整理であり、診断や治療の代わりにはなりません。いびきや日中の強い眠気、気分の落ち込みを伴う場合は、自己判断で対処を続けず医療機関にご相談ください。
睡眠の質を上げる方法とは?まず何をすべきか
「質」とは何か——厚労省が採用した睡眠休養感
| 睡眠時間 | 睡眠休養感なし | 睡眠休養感あり |
|---|
| 5.5時間未満 | 1.54倍 | 1.34倍 |
| 5.5〜6.9時間 | 1.28倍 | (低下傾向) |
| 6.9時間以上 | — | 0.55 |
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※死亡リスクの相対値。出典:厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」成人版 図2(2024年)
日本の現状——休養感は「悪化」評価だった
なぜ眠りが浅いのか?主な原因を深掘りする
原因1:そもそも量が足りていない
原因2:床上時間が長すぎる(睡眠効率の低下)
原因3・4・5:カフェイン残存・環境・病気
注意大きないびき、睡眠中の呼吸停止の指摘、日中の強い眠気がある場合、生活改善だけで解決しない可能性があります。ケアネットの報道(2025年、帝人ファーマのメディアセミナー報告)によれば、国内の睡眠時無呼吸症候群の潜在患者は940万人以上(30〜60代の約7人に1人)と推計される一方、CPAP治療を受けている患者は約73万人にとどまるとされています。
原因別の見分け方——睡眠効率セルフ計算シート
7日間の睡眠日誌テンプレート
| 日付 | ①就床時刻 | ②起床時刻 | ③寝つくまで(分) | ④夜中に目覚めていた合計(分) | ⑤床上時間<br>=②−① | ⑥実睡眠時間<br>=⑤−③−④ | ⑦睡眠効率<br>=⑥÷⑤×100 |
|---|
| 例 | 23:00 | 7:00 | 45 | 30 | 480分 | 405分 | 84.4% |
| 1日目 | | | | | | | |
| 2日目 | | | | | | | |
| 3日目 | | | | | | | |
| 4日目 | | | | | | | |
| 5日目 | | | | | | | |
| 6日目 | | | | | | | |
| 7日目 | | | | | | | |
| 7日平均 | | | | | | | % |
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判定早見表——7日平均で行動を決める
| 7日平均の睡眠効率 | 状態の読み方 | 次の一手 |
|---|
| 85%以上 | 眠る力は足りている。量が不足している可能性 | 床上時間を15分「延ばす」 |
| 80〜85% | ほぼ適正 | 現状維持。環境・カフェインの微調整へ |
| 80%未満 | 床上時間が実力より長い | 床上時間を15分「削る」(就床を15分遅らせる) |
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年代別の目安と照らし合わせる
| 年代 | 脳波計測の実睡眠時間の目安 | 床上時間の実態・目安 |
|---|
| 15歳前後 | 約8時間 | 中高生の推奨は8〜10時間 |
| 25歳 | 約7時間 | 20〜30歳代は約7時間 |
| 45歳 | 約6.5時間 | 45歳以降は増えやすい |
| 65歳 | 約6時間 | 高齢者は8時間以上にしない |
| 75歳 | — | 7.5時間を超える傾向 |
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※出典:厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」図1・図2 睡眠の推奨事項一覧(2024年)。小学生は9〜12時間、中学・高校生は8〜10時間が推奨されています。
補足必要な睡眠時間には季節変動もあり、同ガイドでは冬季は夏季より10〜40分程度長くなるとされています。冬に「寝ても眠い」と感じるのは、必ずしも異常とは限りません。
具体的な解決方法——引き算と足し算の実行手順
手順1〜4:今夜から実行できること
- 床上時間を決める:7日平均の実睡眠時間+15〜30分を「今週の床上時間」に設定します。効率80%未満なら、就床時刻を15分遅らせます(起床時刻は動かさない)。
- 起床時刻を固定する:休日も含め、起床時刻のズレを1時間以内に抑えます。起床後は屋外に出るかカーテンを開け、体内時計をリセットします。厚労省の睡眠ガイド2023では、体内時計に最も影響するのは460〜480nm付近の短波長光で、朝の1,000ルクス以上の光がリセットに関わるとされています。
- 就寝1〜2時間前に入浴する:同ガイドによれば、就寝の約1〜2時間前の入浴で入浴後の熱放散が促進され、速やかな入眠が得られるとされます。ただし極端に湯温が高いと交感神経の活動が亢進し、かえって入眠を妨げる可能性があると注意喚起されています。
- 運動は就寝2〜4時間前まで:同ガイドは、週1回よりも複数回行う方が効果的で、1日60分程度の身体活動を目安としています。就寝直前の激しい運動は避けます。
寝室環境の数値基準
| 要素 | 目安 | 根拠 |
|---|
| 冬の室温 | 18℃以上 | WHO住環境ガイドライン(2018年) |
| 夜間の騒音 | 屋外40dB未満 | 欧州WHO夜間騒音ガイドライン |
| 光 | 就寝約2時間前からメラトニン分泌が始まるため、以降は照度を落とす | 厚労省 睡眠ガイド2023 |
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睡眠の質を上げる飲み物とカフェイン門限はどう決める?
ステップ1:今日の合計カフェイン量を出す
| 飲料 | カフェイン量(100mlあたり) |
|---|
| 玉露 | 160mg |
| コーヒー(ドリップ) | 60mg |
| インスタントコーヒー | 57mg |
| 紅茶 | 30mg |
| せん茶 | 20mg |
| ウーロン茶 | 20mg |
| エナジードリンク | 32〜300mg(製品1本あたり36〜150mg) |
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ステップ2:1日400mgを超えていないか判定する
ステップ3:就寝時の体内残存量を計算する
ステップ4:閾値と照合して「門限」を決める
| 飲むもの(1回量) | 概算カフェイン量 | 影響し得る前倒し時間 | 就寝22時の門限 | 就寝23時の門限 | 就寝24時の門限 |
|---|
| コーヒー1杯(150ml) | 約90mg | 閾値未満(107mg以下) | 夕方以降は控えめに | 同左 | 同左 |
| コーヒー2杯(300ml) | 約180mg | 9時間前 | 13時まで | 14時まで | 15時まで |
| エナジードリンク1本 | 36〜150mg | 最大で9時間前相当 | 13時まで | 14時まで | 15時まで |
| コーヒー4杯相当(700ml) | 約400mg | 13時間前 | 9時まで | 10時まで | 11時まで |
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※厚労省 睡眠ガイド2023の閾値(107mg/217.5mg)と含有量表から算出した目安です。半減期の個人差(3〜7時間)により前後します。
注意寝酒(ナイトキャップ)は避けてください。同ガイドでは、0.75g/kg以上のアルコールでレム睡眠が著明に減少するとされ、寝つきは良くなっても睡眠後半の質が悪化し中途覚醒が増えると説明されています。ニコチンも血中半減期が約2時間の覚醒物質であり、就寝前の喫煙は入眠を妨げる可能性があります。
睡眠の質を上げるグッズ・サプリはどこまで効く?
グッズ:睡眠ガイドの記載事項に対応するものを選ぶ
サプリ:機能性表示食品の読み解き方
- 機能性表示食品は、事業者の責任で科学的根拠を届け出る制度です。国が個別に有効性を審査して許可した food ではありません。
- 病気の治療や予防を目的としたものではありません。不眠症の治療薬とは位置づけが異なります。
- 同じ成分でも、届け出られた機能性表示の文言は製品ごとに異なります。「睡眠の質(眠りの深さ)」「起床時の疲労感」など、何について届け出ているかを確認する必要があります。
注意サプリメントを検討する場合でも、持病がある方や服薬中の方は、事前に医師・薬剤師にご相談ください。また、睡眠時無呼吸などの睡眠障害が背景にある場合、サプリで睡眠休養感が改善することは期待しにくいとされています。
ケース別の対処——年代・生活パターン別の分岐
平日6時間未満の方——寝だめは解決策になりにくい
条件別の早見表
| あなたの状況 | 優先すべき対処 | 根拠・但し書き |
|---|
| 平日6時間未満 | 質より量。平日の就床を前倒し | 6時間未満で心血管疾患4.95倍(厚労省 睡眠ガイド2023) |
| 6時間以上あるが休養感がない | 睡眠効率を測り、床上時間を削る | 効率80%未満なら15分短縮 |
| 65歳以上 | 床上時間を8時間以内に。長い昼寝を控える | 高齢者は長い床上時間が健康リスク(同ガイド) |
| 20〜30代 | 床上時間そのものの確保。休日との差を縮める | 20代は平日休日差が2時間以上(ブレインスリープ2026年調査) |
| 小学生 | 9〜12時間 | 同ガイド 図2 推奨事項一覧 |
| 中学・高校生 | 8〜10時間 | 同ガイド 図2 推奨事項一覧 |
| 冬に眠気が強い | 睡眠時間を10〜40分長めに見積もる | 必要睡眠時間の季節変動(同ガイド) |
| 短時間でも快調な方(ショートスリーパー傾向) | 日中の眠気・体調で判断 | 適正睡眠時間には個人差あり |
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補足長時間眠らないと調子が出ない、いわゆるロングスリーパーの方には、成人向けの目安がそのまま当てはまらない場合があります。日中の眠気や機能低下がないかを基準に、時間の数字だけで判断しないようにしてください。
予防・再発防止のコツ——4週間サイクルで運用する
- 週1回だけ振り返る:毎日測ると、睡眠への注意が過剰になり、かえって眠りにくくなることがあります。日誌は7日分つけたら、次は4週間後で構いません。
- 効率が85%を超えたら床上時間を15分延ばす:眠る力が回復したサインです。ここで初めて「量を増やす」フェーズに入ります。
- 起床時刻を守り続ける:体内時計の安定は、就床時刻ではなく起床時刻と朝の光で作られます。
- 季節と年齢で基準を更新する:冬は10〜40分長く、加齢とともに実睡眠時間は20年で約30分減少します(厚労省 睡眠ガイド2023 図1)。3年前の「自分の適正時間」に固執しないことが大切です。
- カフェイン門限を固定ルール化する:「14時以降はノンカフェイン」のように、判断を毎回しなくて済む形にします。
専門家・公的情報の見解と、4週間で変わらないときの出口
公的ガイドが示す受診の目安
閉塞性睡眠時無呼吸のような睡眠障害が潜んでいると、睡眠環境・生活習慣・嗜好品のとり方などを改善しても睡眠休養感が十分に得られない。ガイドで推奨されている事柄を活用しても睡眠状態の改善が十分に得られない場合は、医師への相談が勧められる。
——厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」(2024年)
2026年6月に変わった3つのこと
| 変更点 | 内容 | 時期・出典 |
|---|
| 診療科名「睡眠障害」の標ぼう解禁 | 政令改正により、医療機関が看板や広告に「睡眠障害内科」等として掲げられるように。単独では使えず他の診療科と組み合わせる | 2026年5月26日発表・6月から(時事通信) |
| 不眠症の認知行動療法(CBT-I)が保険適用 | 2026年度診療報酬改定により6月から適用。対象は2種類以上の睡眠薬を服用しても効果が不十分な場合や、うつ病・不安障害を合併する患者 | 2026年6月(日本経済新聞) |
| 不眠障害治療補助アプリの保険収載 | 「サスメド 不眠障害用アプリ Medcle」が2026年6月1日に保険収載・発売。不眠治療領域で日本初の保険適用プログラム医療機器 | 2026年6月1日(サスメド株式会社プレスリリース) |
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見逃されやすい睡眠時無呼吸
注意家族から大きないびきや呼吸停止を指摘された、日中に強い眠気があり運転中に危険を感じる、気分の落ち込みが2週間以上続く——こうした場合は、セルフケアの4週間を待たずに医療機関にご相談ください。一次資料は厚生労働省の睡眠対策ポータル(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/suimin/index.html )で確認できます。
やってはいけないNG対応
| NG対応 | なぜ避けたいか | 代わりにすること |
|---|
| 寝酒で寝つきを良くする | 0.75g/kg以上でレム睡眠が著明に減少し、睡眠後半の質が悪化して中途覚醒が増えるとされる(厚労省 睡眠ガイド2023) | 就寝1〜2時間前の入浴に置き換える |
| 眠れないのに寝床で粘る | 床上時間が伸びて睡眠効率が下がり、「寝床=眠れない場所」という条件づけが強まる | 眠くなってから寝床に入る。就床を15分遅らせる |
| 8時間睡眠を目標に早寝する | 45歳の実睡眠時間は約6.5時間、65歳は約6時間。実力以上の床上時間は中途覚醒を招く(同ガイド 図1) | 自分の実睡眠時間+15〜30分を床上時間にする |
| 平日の不足を休日の寝だめで取り返す | 平日6時間未満の人は寝だめしても寿命短縮リスクが有意に高まるとされる(同ガイド) | 平日の就床時刻を前倒しする |
| 熱すぎる湯に入って寝る | 交感神経の活動が亢進し、かえって入眠を妨げる可能性がある(同ガイド) | ぬるめの湯で就寝1〜2時間前に入浴する |
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まとめ——今夜からの3ステップ
よくある質問
Q1. 睡眠の質を上げるには、まず何から始めればいいですか?
Q2. 睡眠の質を上げるグッズは買う価値がありますか?
Q3. 睡眠の質を上げるサプリは効きますか?
Q4. 睡眠の質を上げる飲み物としておすすめは何ですか?
Q5. どのくらい続けて改善しなければ受診すべきですか?
- 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」(2024年) https://www.mhlw.go.jp/content/001305530.pdf
- 厚生労働省「睡眠対策」ポータル https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/suimin/index.html
- 厚生労働省「令和5年 国民健康・栄養調査」
- 日本経済新聞「不眠症に認知行動療法、6月から保険適用」(2026年)
- サスメド株式会社プレスリリース(2026年5月)
- 時事通信(2026年5月26日)
- ケアネット(帝人ファーマ メディアセミナー報告、2025年)
- 株式会社ブレインスリープ「睡眠偏差値2026」(2026年4月公表)
- 矢野経済研究所プレスリリース(2024年12月)
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