非感染性疾患とは何か?まず何をすべきか
- 直近1年の健診結果を手元に出す:受けていなければ、加入している健康保険の特定健康診査(40〜74歳)の案内を確認します。厚生労働省の集計(2025年公表)では2023年度の特定健診実施率は59.9%で、4割超の方が未受診の状態です。
- 血圧の数値を確認する:日本高血圧学会・日本高血圧協会の一般向け解説冊子(2019年)によると、日本の高血圧者は推計約4,300万人、うち血圧が良好にコントロールされているのは約1,200万人にとどまるとされています。WHOのファクトシートでも、高血圧は世界のNCD死亡の25%に寄与する最大の代謝性リスク因子と位置づけられています。
- 健康日本21(第三次)の数値目標と、自分の生活を突き合わせる:食塩7g/日、野菜350g/日、歩数7,100歩/日(20〜64歳は8,000歩)といった具体的な基準が国から示されています。
なぜ「низ」から非感染性疾患にたどり着くのか
補足ロシア語圏では「ХНИЗ(хронические неинфекционные заболевания=慢性非感染性疾患)」という表記も広く使われます。日本語の「生活習慣病」に相当する場面で使われることが多い語です。
主な原因を深掘り|なぜ非感染性疾患は増え続けるのか
疾患別に見た死亡の内訳(2021年・世界)
| 疾患群 | 年間死亡数(2021年・世界) |
|---|
| 循環器疾患 | 1,900万人 |
| がん | 1,000万人 |
| 慢性呼吸器疾患 | 400万人 |
| 糖尿病(腎疾患死を含む) | 200万人超 |
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出典:WHO Fact sheet: Noncommunicable diseases(2025年9月25日更新)
見落とされがちな環境要因
注意「生活習慣病」という日本語は、原因を個人の努力不足に帰しやすい語です。WHOがNCDsという語を用いる背景には、健康の社会的決定要因(所得・教育・住環境・大気)を視野に入れる意図があるとされています。自責的に捉えすぎず、制度や環境で変えられる部分にも目を向けることが大切です。
日本で医療費として現れている姿
NCDs とは何か?生活習慣病・慢性疾患との違いを整理する
用語対照表:NCDs/生活習慣病/慢性疾患/ХНИЗ
| 項目 | NCDs(非感染性疾患) | 生活習慣病 | 慢性疾患 | ХНИЗ(露・慢性非感染性疾患) |
|---|
| 定義主体 | WHO(世界保健機関) | 厚生労働省(1996年に「成人病」から改称) | 学術・臨床一般。単一の定義主体なし | ロシア保健省・WHO露語版 |
| 対象疾患の範囲 | 循環器疾患・がん・慢性呼吸器疾患・糖尿病の4疾患が中核。2025年12月の国連政治宣言でメンタルヘルスが統合された | 上記4疾患に加え、脂質異常症・高血圧・一部のがん等。感染由来疾患は原則含まない | 長期経過をたどる疾患全般。難病・自己免疫疾患・慢性感染症も含みうる | NCDsとほぼ同義。慢性であることを明示する接頭辞ХがつくのみでWHO定義に準拠 |
| 原因の捉え方 | 行動+代謝+環境・社会的決定要因(大気汚染560万人のNCD死を含む) | 個人の食事・運動・喫煙・飲酒など生活習慣中心 | 原因を限定しない(先天性・感染後遺症も含む) | WHO準拠で環境要因を含む |
| 主な政策文書 | WHO Global Action Plan/国連ハイレベル会合の政治宣言 | 健康日本21(第三次)/特定健診・特定保健指導 | 各学会の診療ガイドライン | диспансеризация(国民健診制度) |
| 日本の読者が触れる場面 | 国際統計・WHO報道・SDGsターゲット3.4 | 健診結果票・保健指導・自治体の啓発 | 主治医の説明・保険や就労の書類 | 露語資料の翻訳時 |
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メンタルヘルスがNCDの枠に入った2025年の転換
補足政治宣言案(REV4・2025年9月3日版)は国連総会議長室が全文を公開しており、原文を確認できます。
原因別の見分け方|日本のNCD死亡割合を自分で検算する
ステップ1:日本の死因上位を並べる
| 順位 | 死因 | 死亡数 | 構成割合 | NCDに該当するか |
|---|
| 1位 | 悪性新生物(腫瘍) | 384,099人 | 23.9% | ○(がん) |
| 2位 | 心疾患(高血圧性を除く) | 226,277人 | 14.1% | ○(循環器疾患) |
| 3位 | 老衰 | 206,882人 | 12.9% | △(分類上の扱いが議論される) |
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ステップ2:計算欄を自分で埋める
ステップ3:3つの値を並べて差の理由を考える
| 値 | 数字 | 出典・年次 |
|---|
| ① WHO世界値 | 75% | WHO Fact sheet(2021年データ) |
| ② World Bank日本値 | 84.79% | 指標 SH.DTH.NCOM.ZS(2019年) |
| ③ あなたの計算値 | ____% | 令和6年人口動態統計(2024年) |
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- 高齢化率の違い:日本は感染症死亡の比率が低く、相対的にNCDの割合が高くなります。
- 「老衰」「肺炎」の扱い:日本の統計は老衰が12.9%と大きく、これをどう分類するかで割合が動きます。
- 統計年次のズレ:①は2021年、②は2019年のデータです。単純比較はできません。
注意計算値が公表値と一致しなくても誤りとは限りません。分子に含める疾患の範囲、老衰の扱い、年次が異なるためです。数字は「どう定義したか」とセットでしか意味を持ちません。
ステップ4:70歳未満に絞って自分のリスクを逆算する
具体的な解決方法|WHOリスク因子×日本の制度チェックリスト
実行チェックリスト
| ☐ | リスク因子 | WHOが示す寄与度 | 健康日本21(第三次)の目標 | 日本の制度でできること | 未達なら次にやること |
|---|
| ☐ | 喫煙 | 主要な行動リスク因子 | 喫煙率の低下(51項目の目標に含まれる) | 禁煙外来の保険適用/職域の禁煙支援 | 2026年4月・10月のたばこ増税を「やめる期限」に設定する |
| ☐ | 高血圧 | NCD死亡の25%に寄与(最大の代謝性因子) | 食塩摂取量 7g/日(現状10.1g・令和元年) | 特定健診で血圧測定/該当時は特定保健指導 | 家庭血圧計を購入し、朝1回・1週間記録して受診時に持参 |
| ☐ | 過体重・肥満 | 4大NCD全てのリスクを押し上げる | 野菜350g/日(現状281g)・果物200g/日(現状99g) | 第4期特定保健指導のアウトカム評価 | 腹囲−2cm かつ 体重−2kg(180ポイント)を3か月の目標に置く |
| ☐ | 高血糖 | 糖尿病死200万人超の直接要因 | 糖尿病有病者の増加抑制 | 特定健診のHbA1c・空腹時血糖 | 基準値超なら自己判断で放置せず医療機関を受診する |
| ☐ | 運動不足 | 循環器疾患・がんの共通リスク | 20歳以上平均7,100歩/日(20〜64歳8,000歩/65歳以上6,000歩) | 自治体の健康ポイント事業等 | スマホの歩数計で1週間の平均を測り、目標との差を出す |
| ☐ | 有害飲酒 | 主要な行動リスク因子 | 生活習慣病リスクを高める飲酒量の低減 | 特定保健指導での飲酒量確認 | 週2日の休肝日を先にカレンダーへ入れる |
| ☐ | 大気汚染 | 世界670万人の死亡中、約560万人がNCD死 | (個人目標ではなく環境施策の領域) | 自治体の大気情報・注意喚起 | 濃度が高い日は屋外での長時間運動を避ける |
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※睡眠についても、健康日本21(第三次)は6〜9時間(60歳以上は6〜8時間)の睡眠時間確保を目標に掲げています。
特定保健指導 アウトカム評価とは何が変わったのか
健康日本21 第三次 目標の全体像
- 食塩摂取量:7g/日(現状値10.1g/令和元年、目標年度は令和14年度)
- 野菜摂取量:350g/日(現状281g)
- 果物摂取量:200g/日(現状99g)
- 歩数:20歳以上平均7,100歩/日(20〜64歳は男女とも8,000歩、65歳以上は男女とも6,000歩)
- 睡眠:6〜9時間(60歳以上は6〜8時間)の確保
ケース別の対処|年代・状況で優先順位は変わります
ケース1:健診結果で「保健指導レベル」と言われた
ケース2:健診自体を数年受けていない
ケース3:喫煙をやめたいが踏み切れない
補足禁煙は自力だけで進める必要はありません。一定の条件を満たせば禁煙外来が保険適用となる場合があります。詳しくは医療機関にご確認ください。
ケース4:65歳以上で「痩せすぎ」を指摘された
注意本記事のチェックリストは一般的な目安です。既往症や服薬がある方、妊娠中の方は、運動量や食塩制限の目標を自己判断で設定せず、必ず主治医の指示に従ってください。
予防・再発防止のコツ|数値で管理し、制度の日程に乗せる
測定できる指標だけを目標にする
- 体重・腹囲:週1回、同じ曜日・同じ時間帯に測ります。目標は3か月で−2kg・−2cm。
- 家庭血圧:朝の起床後1時間以内、排尿後、座って1〜2分安静にしてから測定します。
- 歩数:スマートフォンの標準機能で足ります。週平均を8,000歩(20〜64歳)と比べます。
- 食塩:全量を測るのは困難なので、「汁物を1日1杯まで」「麺類のつゆを残す」など行動で代替します。
制度のカレンダーに乗せる
- 年1回:特定健康診査(40〜74歳)または職場の定期健康診断
- 健診後3か月:特定保健指導のアウトカム目標(腹囲−2cm・体重−2kg)を置く期間
- 2026年4月・10月:加熱式たばこの増税タイミング。禁煙の期限設定に使えます
- 2035年度:健康日本21(第三次)の最終目標年度
環境側の要因も一度点検する
専門家・公的情報の見解|どこを見れば一次情報にたどり着けるか
NCDs(非感染性疾患)は2021年に少なくとも4,300万人を死亡させ、パンデミック関連を除く世界の全死亡の75%を占める。うち73%は低・中所得国で発生している。
— WHO Fact sheet: Noncommunicable diseases(2025年9月25日更新)
参照すべき一次情報の一覧
| 目的 | 情報源 | 内容 |
|---|
| 世界の全体像 | WHO Fact sheet: Noncommunicable diseases(2025年更新) | 死亡数・リスク因子・疾患別内訳 |
| ロシア語圏の資料 | ВОЗ「Неинфекционные заболевания」информационный бюллетень | 上記の露語版。同一内容 |
| 日本の死因統計 | 厚生労働省「令和6年(2024)人口動態統計月報年計(概数)の概況」 | 死因別死亡数と構成割合 |
| 日本の国際比較値 | World Bank/WHO 指標 SH.DTH.NCOM.ZS | 全死亡に占めるNCDの割合(日本84.79%・2019年) |
| 国の健康目標 | 国立健康・栄養研究所「健康日本21(第三次)目標一覧」 | 51項目の目標値と現状値 |
| 健診・保健指導の実績 | 厚生労働省「特定健診・特定保健指導の実施状況について(2023年度)」 | 実施率59.9%/27.6% |
| 医療費の内訳 | 厚生労働省「令和4(2022)年度 国民医療費の概況」 | 疾病分類別の医療費 |
| 高血圧の実態 | 日本高血圧学会・日本高血圧協会「高血圧治療ガイドライン2019 一般向け解説冊子」 | 患者数約4,300万人 |
| 国際的な政策動向 | 国連総会議長室 公開文書(政治宣言REV4・2025年9月3日版) | NCD政治宣言の本文 |
| たばこ税の変更 | 財務省「令和8年度税制改正の大綱」 | 加熱式たばこ課税の改正日程 |
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補足WHOのファクトシートは日本語版が用意されていない場合があります。英語版と露語版は同一内容が公開されているため、原文を確認したい場合はそちらを参照してください。
やってはいけないNG対応|数字と用語の扱いに注意
NG1:出典と年次を確認せずに数字を使う
NG2:健診で異常値が出ても「自覚症状がないから」と放置する
NG3:食塩や糖質を自己判断で極端に制限する
NG4:「生活習慣病=自己責任」と捉えて相談をためらう
NG5:単一の情報源だけで判断する
注意本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、診断・治療を目的とするものではありません。症状がある場合、健診で異常値を指摘された場合、服薬中の場合は、必ず医療機関を受診し、医師の判断に従ってください。
まとめ|語義の話を、自分の数値の話に変える
よくある質問
Q1. 「низ 意味」で検索すると医療情報が出てこないのはなぜですか?
Q2. 生活習慣病と非感染性疾患の違いは何ですか?
Q3. 健康日本21(第三次)の目標を全部覚える必要はありますか?
Q4. 特定保健指導のアウトカム評価では何が求められますか?
Q5. WHOの「NCDが全死亡の75%」という数字は最新ですか?
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