この記事の要点(30秒まとめ)
ビタミンB群不足の症状一覧【8種類別】
| 種類 | 主な働き | 不足時に現れやすい症状 |
|---|
| ビタミンB1(チアミン) | 糖質の代謝 | 疲労感、食欲不振、脚気(むくみ・動悸)、重度ではウェルニッケ脳症 |
| ビタミンB2(リボフラビン) | 脂質の代謝、皮膚・粘膜の維持 | 口内炎、口角炎、舌炎、脂漏性皮膚炎、目の充血 |
| ナイアシン(B3) | エネルギー産生 | 皮膚炎、下痢、重度ではペラグラ |
| パントテン酸(B5) | 脂質・糖質の代謝 | 疲労感、頭痛(通常の食生活では不足はまれ) |
| ビタミンB6 | たんぱく質の代謝 | 皮膚炎、口内炎、貧血、手足のしびれ、気分の落ち込み |
| ビオチン(B7) | 糖・脂質・たんぱく質の代謝 | 皮膚炎、脱毛(不足はまれ) |
| 葉酸(B9) | 細胞分裂、赤血球の生成 | 貧血(巨赤芽球性貧血)、口内炎、胎児の神経管閉鎖障害リスク |
| ビタミンB12 | 赤血球の生成、神経の維持 | 貧血、手足のしびれ、歩行障害、記憶力低下、舌の痛み |
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ビタミンB1不足の症状|数週間〜数カ月で出る「早い欠乏」
ビタミンB12不足の症状|年単位で静かに進む「遅い欠乏」
「ビタミンB不足」と「ビタミンB群不足」の違い
症状はいつ出る?ビタミン別「枯渇タイムライン早見表」
| ビタミン | 体内貯蔵の目安 | 症状が出るまでの期間 | 初期サイン | 進行時の疾患 | 血液検査 | 食事以外の欠乏リスク |
|---|
| B1 | 25〜30mg(骨格筋中心)と少ない | 数週間〜数カ月 | 疲労感・食欲不振・むくみ | 脚気、ウェルニッケ脳症 | 血中濃度測定(医師の判断) | 多量飲酒、糖質過多の食事 |
| B2 | 貯蔵しにくい | 数週間〜数カ月 | 口角炎・口内炎・舌炎 | 脂漏性皮膚炎 | 医師の判断 | 偏食、極端なダイエット |
| ナイアシン | 貯蔵しにくい | 数週間〜数カ月 | 皮膚炎・下痢 | ペラグラ | 医師の判断 | 偏食、アルコール多飲 |
| B6 | 貯蔵しにくい | 数週間〜数カ月 | 皮膚炎・口内炎 | 末梢神経症状、貧血 | 医師の判断 | 経口避妊薬などの薬剤 |
| B12 | 肝臓に年単位分を貯蔵 | 年単位 | 疲れ・舌の痛み・軽いしびれ | 巨赤芽球性貧血、神経障害・歩行障害 | 血清ビタミンB12: 基準値180〜914pg/mL(保険適用・実施料136点) | メトホルミン、制酸薬の長期服用、胃切除、萎縮性胃炎、完全菜食 |
| 葉酸 | 貯蔵は少なめ | 数週間〜数カ月 | 口内炎・疲労感 | 巨赤芽球性貧血、胎児の神経管閉鎖障害リスク | 血清葉酸(医師の判断) | 妊娠・授乳(需要増)、飲酒 |
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※MSDマニュアル(2023)、厚生労働省「日本人の食事摂取基準」、SRL総合検査案内をもとに作成
- 数週間〜数カ月前からの不調+食生活の乱れ・飲酒 → B1・B2など「早い欠乏」を疑い、食事改善から始める
- 年単位でじわじわ進む不調(しびれ・貧血・物忘れ)+胃の手術歴・長期服薬・高齢 → B12の「遅い欠乏」を疑い、受診を優先する
ビタミンB群不足のセルフチェック|症状起点チャート
- 週3日以上お酒を飲む/ごはん・パン・麺・甘い飲料が中心 → B1不足を疑う
- 当てはまらない → 栄養全体の不足に加え、睡眠・ストレスも並行して見直す
- 行動: 食事改善で2〜4週間様子見。改善しない場合や体重減少を伴う場合は内科へ
- 肉・魚・卵・乳製品をとらない日がある → B2・B6不足を疑う
- 行動: たんぱく質源を毎食1品追加して2週間観察。2週間治らない口内炎・大きくなる潰瘍は受診
- 65歳以上/胃薬(制酸薬)や糖尿病薬(メトホルミン)を長期服用/胃の手術歴/完全菜食 → B12不足を強く疑う
- 飲酒量が多い → B1不足(ウェルニッケ脳症のリスク)
- 行動: 様子見せず、内科・消化器内科で血液検査を相談。該当項目がなくても、しびれは受診優先
- 65歳以上、または胃の不調・手術歴がある → B12不足を疑う → 受診して血液検査を相談
- 食生活の乱れに心当たりがある → B6・葉酸を含む食事の見直し+生活リズムの改善。長引く場合は抱え込まず受診・相談
注意このチャートは可能性の絞り込みと受診目安の整理が目的で、診断ではありません。同じ症状は甲状腺疾患・糖尿病・鉄欠乏性貧血など他の病気でも起こるため、複数の入口に当てはまる場合や症状が強い場合は、結果にかかわらず医療機関に相談してください。
食事だけでは防げないビタミンB群不足|薬・胃・年齢という盲点
- 薬剤性: MSDマニュアル家庭版(2023)によると、ビタミンB12の吸収不良の原因には、糖尿病治療薬のメトホルミンなどの薬剤や、胃酸を抑える薬の長期服用が含まれます。気になる場合も自己判断で薬を中止せず、処方医に相談してください。
- 胃の手術・萎縮性胃炎: B12の吸収には胃の内因子と胃酸が必要です。胃切除後や、内因子を作る細胞が攻撃される自己免疫性萎縮性胃炎では、食事からとっても吸収できないことがあります。
- 加齢: 日本医事新報社 Web医事新報(2019)によると、高齢者の10〜24%にビタミンB12欠乏が認められるとの報告があり、萎縮性胃炎の頻度増加や制酸薬の長期服用との関連が指摘されています。
- 飲酒: 厚生労働省 e-ヘルスネット(2024)によると、アルコール多飲はB1欠乏を招き、ウェルニッケ脳症から慢性化するとコルサコフ症候群に移行するとされています。
日本人はB1が推奨量に足りていない|不足分を埋める実践量を計算
| 不足分(1日あたり) | 豚ヒレ肉に換算 | 玄米ご飯に換算 |
|---|
| 男性(18〜49歳) | 約0.37mg | 約30g(薄切り1〜2枚) | 茶碗約1.5杯 |
| 女性(18〜49歳) | 約0.23mg | 約20g(薄切り1枚) | 茶碗約1杯 |
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※豚ヒレ肉(赤肉・生)100gあたり約1.3mg、玄米ご飯は茶碗1杯150gあたり約0.24mgとして換算
補足B群は水に溶けやすく加熱調理で失われる分があるため、実際にはこの目安より少し多めを見込み、味噌汁やスープなど汁ごと食べる調理で損失を減らすのが現実的です。「白米の一部を玄米に置き換え、豚肉のおかずを週の半分に取り入れる」程度で埋められる規模のギャップです。
摂りすぎにも注意|ビタミンB6過剰摂取の症状
受診の実務|何科に行き、どんな血液検査をするのか
- 何科に行くか: まず内科(かかりつけ医)。しびれ・歩行障害が中心なら脳神経内科、妊娠に関わる葉酸の相談は産婦人科が適しています。
- どんな検査か: 貧血の有無と赤血球の大きさを調べる血算に加え、必要に応じてビタミンの血中濃度を測定します。血清ビタミンB12検査は基準値180〜914pg/mLで、保険適用(実施料136点)で受けられます(SRL総合検査案内)。
- 受診時に伝えるとスムーズな情報: いつから・どんな症状か/食事の傾向(主食中心か)/飲酒の頻度と量/服用中の薬・サプリ(お薬手帳を持参)/胃の病気・手術の既往/妊娠の可能性
食事とサプリでの補い方|優先順位と2025年の新基準
| 種類 | 多く含む食品の例 |
|---|
| B1 | 豚肉、うなぎ、玄米、大豆、そば |
| B2 | レバー、卵、納豆、乳製品、緑黄色野菜 |
| B6 | まぐろ、かつお、鶏肉、バナナ、にんにく |
| B12 | あさり、しじみ、レバー、魚介類、卵、乳製品 |
| 葉酸 | ほうれん草、ブロッコリー、枝豆、いちご、レバー |
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- 毎食たんぱく質源を1品: 肉・魚・卵・大豆製品を1品加えるだけでB群の摂取量は大きく変わります。
- 白米に玄米・雑穀を混ぜる: 精製で失われたB1を手軽に補えます。
- 汁ごと食べる調理: B群は水に溶けやすいため、味噌汁・スープ・蒸し調理が効率的です。
補足厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」(2025年4月から適用)では、ビタミンB12は従来の推奨量(2.4μg/日)の設定をやめ、18歳以上の目安量4.0μg/日へ変更されました。従来の推奨量では適正な栄養状態の維持に少ない可能性が指摘されたためです(厚生労働省 策定検討会報告書, 2024)。
やってはいけないNG対応
- しびれ・ふらつきを「疲れのせい」と放置する: B1・B12不足による神経障害は、対応が遅れると回復に時間がかかる場合があるとされています。
- 「水溶性だから安全」と高用量サプリを続ける: B6の耐容上限量のとおり、過剰でも神経症状が起こりえます。
- 自己判断で処方薬を中止する: メトホルミンや胃薬がB12に影響しうると知っても、中止の判断は必ず処方医に相談してください。
- 貧血症状を市販の鉄剤だけで対処する: B12・葉酸不足による貧血は鉄剤では改善せず、原因の特定が遅れます。血液検査で種類を見極めることが先です。
よくある質問
最終確認日: 2026年8月15日
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