まな先生解説
こころ質問
すい要点整理
- 杯数を1日1〜2杯に決める(3杯以上飲んでいる方はまず2杯へ)
- 味噌の量を1杯あたり大さじ1弱(12g前後)に量る
- だしを濃くして味噌を1〜2割減らす(1杯あたり約0.2〜0.3gの減塩)
注意
この記事は一般的な情報の整理です。個別の適量や制限量の判断は医療行為にあたります。持病・妊娠中・服薬中の方は、必ず医療機関にご相談ください。
結論:味噌汁の塩分は1杯何gで、1日何杯までが目安ですか?
1杯あたりの塩分は「味噌の量」でほぼ決まります
| 味噌の種類 | 食塩相当量(100gあたり) | 大さじ1(18g)あたり | 味噌汁1杯(味噌12g)あたり |
|---|---|---|---|
| 淡色辛みそ(一般的な合わせ・信州系) | 約12.4g | 約2.2g | 約1.5g |
| 赤色辛みそ | 約13.0g | 約2.3g | 約1.6g |
| 麦みそ | 約10.7g | 約1.9g | 約1.3g |
| 甘みそ(西京みそ等) | 約6.1g | 約1.1g | 約0.7g |
| だし入り味噌(製品による) | 約10〜12g | 約1.8〜2.2g | 約1.2〜1.5g |
1日の杯数の目安(あくまで一般的な考え方)
| 1日の杯数 | 味噌汁からの塩分 | 目標量(女性6.5g未満)に占める割合 |
|---|---|---|
| 1杯 | 約1.2g | 約18% |
| 2杯 | 約2.4g | 約37% |
| 3杯 | 約3.6g | 約55% |
味噌汁の塩分が多くなる主な原因を深掘り

原因1:味噌を目分量で入れている
- すり切り大さじ1=約18g(塩分約2.2g)
- 山盛り大さじ1=約22〜25g(塩分約2.7〜3.1g)
原因2:だしが薄く、味噌で味を補っている
原因3:具が少なく、汁の割合が多い
原因4:味噌汁以外の塩分を数えていない
| 食品 | 食塩相当量の目安 |
|---|---|
| 味噌汁1杯 | 約1.2〜1.5g |
| 梅干し1個(中) | 約1.8〜2.2g |
| たくあん2切れ | 約0.6g |
| ラーメン1杯(汁ごと) | 約5〜7g |
| 食パン6枚切り1枚 | 約0.7g |
| 焼き魚(塩鮭甘口1切れ) | 約1.5g |
補足
厚生労働省「令和5年国民健康・栄養調査」では、日本人成人の1日あたり食塩摂取量の平均は約9.8g(男性約10.7g、女性約9.1g)と報告されています。目標量に対して男女とも超過している状況です。
原因別の見分け方:あなたの味噌汁はどのタイプですか?
チェックリストで現状を把握する
- 味噌は計量スプーンやみそマドラーで量っていない
- 1日3杯以上飲む日がある
- だしは水+だし入り味噌のみで済ませることが多い
- 具は1〜2種類で、汁が椀の8割以上を占める
- 味噌汁と一緒に漬物・佃煮・干物を食べることが多い
- 外食や即席味噌汁を週4回以上利用する
| 該当数 | 想定される状況 | 優先して取り組むこと |
|---|---|---|
| 0〜1個 | おおむね良好 | 現状維持と定期的な血圧測定 |
| 2〜3個 | 改善余地あり | 計量の習慣化とだしの強化 |
| 4個以上 | 全体量が多い可能性 | 杯数の見直し+食事全体の塩分点検 |
「味が薄いと感じるか」で味覚の慣れを見分ける
具体的な解決方法:無理なく塩分を減らす手順
手順1:味噌を量る(所要3秒・効果約0.2〜0.5g/杯)
- 計量スプーンかみそマドラー(大さじ1/小さじ1が量れるもの)を味噌容器に入れっぱなしにする
- 1杯あたり大さじ1弱(12g前後)を基準にする
- 4人分なら大さじ2強(約45g)を上限の目安にする
手順2:だしを濃くする(効果約0.2g/杯)
- 水500mLに対し、かつお節10g(通常の約1.5倍)または昆布10g+かつお節5gを使う
- 前夜に水出し(水500mL+昆布10gを冷蔵庫で一晩)しておくと手間が減る
- だしが濃い分、味噌を1割減らして味を確認する
手順3:具を増やして汁を減らす(効果約0.2〜0.4g/杯)
- 1杯につき具を3種類以上(例:わかめ+豆腐+ねぎ)
- 根菜やきのこを加え、椀の半分を具で埋める
- 汁の量が減った分、味噌もそのぶん減らす
手順4:カリウムを含む具を選ぶ
| 具材 | カリウム量(100gあたり・目安) | 味噌汁での使いやすさ |
|---|---|---|
| じゃがいも | 約410mg | ◎ 定番・満足感が高い |
| ほうれん草(ゆで) | 約490mg | ◎ 彩りにも |
| さつまいも | 約480mg | ○ 甘みで満足感 |
| 大根 | 約230mg | ◎ 汁を吸って具に |
| 豆腐(木綿) | 約110mg | ◎ たんぱく質も |
| わかめ(水戻し) | 約260mg | ○ 少量でも風味 |
注意
腎機能が低下している方は、カリウム制限が必要な場合があります。「野菜を増やせば安心」とは限りません。腎臓病の指摘を受けている方は、必ず主治医・管理栄養士の指示に従ってください。
手順5:風味で補う(塩分ゼロの味付け)
- 香り:ねぎ、みょうが、青じそ、しょうが、七味
- 酸味:仕上げに少量の酢やレモン(すまし系に相性良)
- 油のコク:ごま油やすりごま少々
- 焦がし香:味噌を少し焼き付ける(焼き味噌)
ケース別の対処:家族構成・持病・生活パターン別
ケース1:高血圧を指摘されている方
- 味噌汁は1日1杯にする
- 汁を半分残す(それだけで約0.6g減)
- 漬物・佃煮との併食を避ける
- 減塩味噌(塩分約20〜25%カット製品)を検討する
ケース2:腎臓の数値を指摘されている方
- 具材の選択(いも類・野菜の量)に個別の制限がかかることがあります
- 減塩調味料には塩化カリウムが使われている製品があり、カリウム制限中の方には適さない場合があります
- 味噌自体にもたんぱく質・リンが含まれます
注意
腎機能低下がある方は、市販の「減塩」表示だけで判断せず、原材料表示を確認のうえ、必ず医師・管理栄養士に相談してください。
ケース3:高齢の家族がいる場合
- 味を薄くするより、だし・香味野菜で満足感を確保する
- 食事量そのものが減っている場合は、減塩より食べられることを優先する判断もあります
- 判断に迷う場合は、かかりつけ医や地域包括支援センターに相談するのが安全です
ケース4:夏場・多量に汗をかく方
ケース5:一人暮らし・即席味噌汁が中心の方
- 購入時に「食塩相当量」を比較する(0.4g違えば1日2食で0.8g差)
- 減塩タイプ(1食1.0g前後)を選ぶ
- お湯を規定量よりやや多めにしても、総塩分量は変わりません(薄まるだけで摂取量は同じ)
- 具材(乾燥わかめ・ねぎ)を足して満足感を上げる
補足
お湯を増やす方法は「濃度」は下がりますが、全部飲めば摂取する塩分は同じです。減塩したい場合は、汁を残すか、味噌の量そのものを減らす必要があります。
予防・再発防止のコツ:薄味を続けるための仕組み化
コツ1:道具で自動化する
- みそマドラー/計量スプーンを味噌容器に入れっぱなしにする
- 小さめの椀(150mL)に替える
- だしパックを常備し、水出しボトルを冷蔵庫に置く
コツ2:味覚のリセット期間を設ける
| 週 | 味噌の量(1杯) | 塩分の目安 |
|---|---|---|
| 1〜2週目 | 大さじ1(18g) | 約2.2g |
| 3〜4週目 | 大さじ0.9(16g) | 約2.0g |
| 5〜6週目 | 大さじ0.75(13.5g) | 約1.7g |
| 7週目以降 | 大さじ0.65(12g) | 約1.5g |
コツ3:数値で確認する習慣を持つ
- 家庭用血圧計で週1〜2回、朝の起床後1時間以内に測定・記録する
- 健康診断の結果(血圧・eGFR・尿蛋白)を前年と比較する
- 尿中ナトリウム測定を扱う医療機関もあるため、気になる方は相談を
コツ4:家族の合意を取っておく
- 味噌を溶く前に、薄味希望の人の分を取り分ける
- 食卓で各自が薬味(七味・ねぎ・ごま)を足せるようにする
- 「健康のため」より「だしがきいておいしい」と伝えるほうが受け入れられやすい傾向があります
専門家・公的情報の見解
公的機関が示す目標値
| 出典 | 対象 | 食塩摂取の目標・推奨 |
|---|---|---|
| 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」 | 成人男性 | 1日7.5g未満 |
| 同上 | 成人女性 | 1日6.5g未満 |
| 同上 | 高血圧・慢性腎臓病(重症化予防) | 1日6g未満 |
| 日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン2019」 | 高血圧患者 | 1日6g未満 |
| WHO(世界保健機関)ガイドライン | 成人一般 | 1日5g未満(ナトリウム2g未満) |
WHOは2023年の報告書で、世界の食塩摂取量削減目標(2025年までに30%削減)の達成が困難な見通しであると指摘し、加盟国に対策強化を求めています。
味噌汁と健康に関する研究の位置づけ
- 大豆由来のたんぱく質・イソフラボンを含む
- 発酵過程で生じる成分に関する研究が進められている
- 具材(野菜・海藻・大豆製品)からカリウムや食物繊維を摂取しやすい
注意
「味噌汁は塩分を摂っても問題ない」といった趣旨の情報を見かけることがありますが、公的な指針でそのように結論づけられているわけではありません。血圧や腎機能に不安がある方は、必ず医療機関の指示を優先してください。
相談先の目安
| 状況 | 相談先 |
|---|---|
| 健診で血圧・腎機能を指摘された | かかりつけ医・内科 |
| 具体的な献立・分量を知りたい | 管理栄養士(栄養相談外来・自治体の栄養相談) |
| 家族の食事管理に悩んでいる | 地域包括支援センター・保健センター |
| 服薬中で食事調整が必要 | 主治医・薬剤師 |
やってはいけないNG対応
NG1:医師の指示を無視した自己流の増減
NG2:一気に極端な薄味にする
NG3:減塩調味料を確認せず使う
NG4:「汁を薄める」だけで安心する
NG5:味噌汁だけを気にして全体を見ない
NG6:血圧の変化を短期間で判断する
よくある質問
Q1. 味噌汁を毎日飲んでも大丈夫ですか?
Q2. 減塩味噌に替えれば、何杯飲んでもよいですか?
Q3. 汁を残せば、どのくらい減塩できますか?
Q4. インスタント味噌汁と手作りでは、どちらが塩分は多いですか?
Q5. 血圧が高めですが、味噌汁をやめるべきですか?
- 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
- 厚生労働省「令和5年国民健康・栄養調査結果の概要」
- 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
- 日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン2019」
- WHO「Sodium reduction」関連ガイドライン




