熱中症対策 飲み物|汗の量と持病で決める7種比較と塩分の要否
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熱中症対策 飲み物|汗の量と持病で決める7種比較と塩分の要否

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まな先生解説
こころ質問
すい要点整理

結論:飲み物は「発汗量」と「持病」の2軸で決まる

今日の発汗量持病なし・通常の食事高血圧/腎臓病/心不全・減塩中
ほぼなし(屋内中心)水・麦茶で1.2L。塩分追加は不要水・麦茶。塩分入り飲料は避ける
中程度(散歩・通勤)水・麦茶+通常の食事で足りる水分優先。飲料での塩分追加は不要域
大量(屋外作業・運動)食塩0.1〜0.2%の飲料を併用主治医に補給量を確認したうえで実施
脱水症状あり経口補水液+涼しい場所で休息事前に主治医と使用可否を相談
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熱中症対策の飲み物ランキングより先に見るべき「飲料7種×8指標」比較表

熱中症対策の飲み物ランキングより先に見るべき「飲料7種×8指標」比較表
飲料(A)Na濃度(B)500mL食塩相当量(C)500mL糖質(D)カフェイン(E)「熱中症対策」表示基準※1(F)BHI※2(G)推奨シーン(H)使ってはいけない/要相談
ほぼ00g0gなし×(Na基準未満)1.00(基準)日常の予防・常用水分制限の指示がある人
麦茶(伊藤園 健康ミネラルむぎ茶670ml)※3ごく微量約0.15g0g0mg×(食塩0.03g/100ml)研究で測定なし日常の予防・常用、就寝前水分制限の指示がある人
スポーツドリンク9〜23mEq/L約0.5〜1.0g15.0〜40.0gなし〇(製品による)水と有意差なし大量発汗中〜後糖尿病・減塩中は要相談
経口補水液(OS-1)50mEq/L約1.5g約12.5g(ブドウ糖2.5%)なし1.54脱水症状があるとき高血圧・腎臓病・心不全は要相談
牛乳(普通牛乳)少量少量なし×(対象外)全脂乳1.50/脱脂乳1.58運動後30分以内の体づくり乳アレルギー・乳糖不耐
手作り経口補水液(水1L+砂糖40g+塩3g)約51mEq/L相当1.5g20gなし〇(濃度上は該当)研究で測定なし脱水症状があり市販品がないとき乳児・腎疾患・心不全・高血圧治療中
みそ汁(参考・食品からの塩分)1杯で約1.5gなし対象外食事での塩分補給減塩指示がある人
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※1 全国清涼飲料連合会「熱中症対策」表示ガイドライン(2016改訂):飲料100mlあたりナトリウム40〜80mg(食塩相当量0.1〜0.2g)を含むものに限り「熱中症対策」と表示できる(CM・POP等のみ可、商品名や容器包装への表示は不可)。 ※2 BHI=飲料水分保持指数(Maughan RJ et al. Am J Clin Nutr 2016、被験者72名、摂取2時間後・水=1.00)。測定されていない飲料は憶測値を入れず「研究で測定なし」と記載しています。 ※3 伊藤園 商品情報サイトの栄養成分表示(100mlあたり食塩相当量0.03g/カリウム11.9mg/マグネシウム0.45mg/カフェイン0mg/0kcal)より算出。

  1. 麦茶は(E)が×。食塩相当量0.03g/100mlは「熱中症対策」表示基準の40〜80mg/100mlに遠く及ばず、麦茶は水分補給には優れる一方で塩分補給にはなりません。
  2. スポーツドリンクは塩分より糖質のほうが先に過剰になる。500mLで食塩0.5〜1.0gに対し糖質は15.0〜40.0gです(大塚製薬工場「経口補水液の適正使用について」2024年5月)。
  3. 水より水分が体に残るのは経口補水液と牛乳だけ。Maughan 2016では1L摂取後4時間の累積尿量が水1337gに対し経口補水液1038g・全脂乳1052g・脱脂乳1049gと有意に少なく、コーラ・紅茶・コーヒー・スポーツドリンク・ビール等は水と差がありませんでした。

「熱中症に麦茶はダメ」の正確な意味と、水とどっちがいいか

場面麦茶・水だけで足りるか補うもの
室内で過ごす日常、就寝前後足りる特になし(食事で食塩は平均10.1g/日摂れている)
短時間の外出、軽い家事おおむね足りる食事での塩分
1時間以上の運動・屋外作業足りない食塩0.1〜0.2%の飲料、または食事での補給
脱水症状が出ているとき足りない経口補水液(持病があれば要相談)
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  • 量を飲みたい・飽きが気になる: 麦茶のほうが続けやすい傾向があります(カフェイン0mgで就寝前も使えます)
  • 薬を飲む・胃腸が弱っている: 水が無難です
  • 大量に汗をかいた直後: どちらを選んでも塩分の要否は別途判断が必要です
注意

麦茶は煮出し・水出しともに常温で長時間放置すると細菌が増えやすいとされています。作り置きは冷蔵保存とし、当日〜翌日程度で飲み切ってください。

汗の量から「今日足すべき食塩」を逆算する計算式と3ケース試算

  • 追加食塩:0g
  • 食事から既に平均10.1g/日を摂取しており、目標量(男性7.5g未満/女性6.5g未満、厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」)を超えています
  • 飲み物は水か麦茶で1.2L(環境省の目安)。スポーツドリンクは不要です
  • 追加食塩:2〜4g
  • スポーツドリンク500mL×4本だと食塩2〜4gには届きますが、糖質が60〜160gになりペットボトル症候群(清涼飲料水ケトーシス)の域に入ります
  • 配分の考え方:
補給方法食塩糖質判定
スポーツドリンク2L2〜4g60〜160g糖質が過剰
0.1〜0.2%食塩水(水1Lに塩1〜2g)2L2〜4g0g糖質ゼロで塩分を確保
スポーツドリンク500mL+食塩水1L+食事(みそ汁1杯=約1.5g)約3〜4g15〜40g現実的な配分
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  • 計算上の追加食塩:0.5〜1g。ただし実質は追加不要域です
  • 日本高血圧学会 減塩・栄養委員会は、高血圧の人は原則として夏でも適切な減塩が必要で1日6g未満が望まれるとしています。食事だけで既に目標を超えているため、飲料からの塩分追加は逆方向の対応になります
  • 同委員会は「水分は夏には多く摂ることが望まれる」とし、環境省の1日1.2リットルを目安としたこまめな水分補給を推奨しています。優先順位は水分1.2L+α>塩分です
注意

上位の解説記事は「汗をかいたら塩分を」と一律に勧めがちですが、高血圧・腎疾患で減塩治療中の人が塩分入り飲料を常用するリスクはほとんど触れられていません。減塩の指示を受けている方は、この計算式の結果よりも主治医の指示を優先してください(日本高血圧学会 減塩・栄養委員会、2026年6月10日更新)。

熱中症対策の飲み物「スポーツドリンク以外」の選択肢

目的スポーツドリンク以外の選択肢根拠・注意点
日常の水分補給水、麦茶糖質0g。1日1.2Lが目安(環境省2022)
大量発汗時の塩分0.1〜0.2%食塩水、食事(みそ汁1杯=約1.5g)推奨組成は食塩0.1〜0.2%(JSC『アスリートのためのトータルコンディショニングガイドライン』2023 p.144)
脱水症状があるとき経口補水液予防目的の常用は不可(後述)
暑さに強い体づくり運動後30分以内の牛乳Jミルク「ファクトブック 牛乳による熱中症対策の有効性」(信州大学 能勢博教授らの研究、2014)
糖質を避けたい水+塩タブレット、麦茶+食事糖尿病で通院中の方は医師・管理栄養士に相談
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経口補水液は「予防のために毎日飲む飲み物」ではない

項目経口補水液(OS-1)一般的なスポーツドリンク
ナトリウム50mEq/L9〜23mEq/L
カリウム20mEq/L
ブドウ糖2.5%炭水化物6〜10%
設計思想不足電解質を補うため電解質は高く、吸収を速めるため糖は低く運動時のエネルギー補給を兼ねる
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出典:株式会社大塚製薬工場 オーエスワン公式サイト(成分/よくあるご質問)

熱中症対策飲み物「手作り」の安全チェックリスト

  • [ ] 作るのは「脱水症状のサイン」があるときだけ(めまい・立ちくらみ・こむらがえり・筋肉痛・頭痛・強い倦怠感)。予防目的の常飲は不可(大塚製薬工場『脱水症でない場合は、経口補水液を飲用する必要はありません』)
  • [ ] 塩3gは目分量禁止・キッチンスケールで計量。濃度が倍になると高ナトリウム血症のリスクがあります
  • [ ] 防腐剤がないため作り置き禁止。その日のうちに消費し、容器は洗浄・消毒する
  • [ ] 与えてはいけない/事前に医師相談が必要な人=乳児、腎臓病、心不全、高血圧治療中、水分・塩分制限の指示がある人
  • [ ] 手作り品には品質保証がないという前提を理解する(市販の許可基準型経口補水液の特別用途表示は「感染性胃腸炎による下痢・嘔吐等の脱水状態に適する」旨のみ)
  • [ ] 意識がもうろうとしている・自力で飲めない・呼びかけへの反応がおかしい場合は作らずに直ちに119番(日本救急医学会「熱中症診療ガイドライン2024」のⅢ〜Ⅳ度対応)

職場では飲料の備えが「事業者の法的義務」になった

  1. 熱中症のおそれのある労働者を早期発見するための報告体制の整備
  2. 作業離脱・身体冷却・医療機関受診・緊急連絡等の措置手順の作成
  3. それらの関係者への周知

症状から見分ける:水分不足か、塩分不足か

主な症状疑われる状態対応
のどの渇き、尿量減少、濃い色の尿水分不足が中心水・麦茶+食事での塩分
足がつる、こむら返り、筋肉のけいれん塩分不足が中心(熱けいれん)塩分を含む飲料。持病がある人は指示に従う
めまい、立ちくらみ、だるさ、頭痛、吐き気水分・塩分の両方の不足経口補水液+涼しい場所で休息
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注意

呼びかけへの反応がおかしい、自力で水分を飲めない、体が熱いのに汗が出ていない——これらは重症のサインとされています。飲み物での対処にこだわらず、直ちに119番通報と体の冷却を優先してください。

やってはいけないNG対応

  • ビールなどのアルコールで水分補給: アルコールには利尿作用があり、飲んだ量以上の水分が尿として失われるとされています。飲酒した日はむしろ水を追加で飲む必要があります
  • 甘いジュース・スポーツドリンクの水代わりの常用: スポーツドリンク500mLの糖質は15.0〜40.0g。1日4本なら60〜160gになり、高血糖から急性の体調悪化を招く「ペットボトル症候群(清涼飲料水ケトーシス)」のリスクが指摘されています
  • 汗をかいていない日に「念のため」塩分入り飲料を飲む: 日本人の平均食塩摂取量は10.1g/日で目標量を超過しています。日本高血圧学会は『通常の食事を摂っている方は、意識的に食塩の摂取を増やす必要はありません』としています
  • 意識がもうろうとした人に無理に飲ませる: 誤嚥や窒息のおそれがあります。自力で飲めない状態は救急要請の目安とされています
  • 「経口補水液を飲んだから大丈夫」と活動を続ける: 飲み物は治療ではありません。症状があるときは涼しい場所での休息と体の冷却が先です
注意

30分程度休んでも症状が改善しない、嘔吐して水分が取れない、意識の状態がおかしい——このような場合は、飲み物での様子見を続けず医療機関を受診してください。

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次に読むと、この記事の判断がしやすくなります。

よくある質問

補足

ここでの回答はあくまで一般的な情報提供です。体質や持病によって適切な対応は変わるため、迷ったときは医療機関や薬剤師にご相談ください。

主な出典

  • 総務省消防庁 熱中症情報(2025年シーズン搬送者数、週報)https://www.fdma.go.jp/disaster/heatstroke/post3.html
  • 厚生労働省 令和元年 国民健康・栄養調査 https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000687163.pdf
  • 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会報告書 https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586565.pdf
  • 厚生労働省 基発0520第6号(令和7年5月20日)https://www.mhlw.go.jp/content/001490909.pdf
  • 日本高血圧学会 減塩・栄養委員会「夏の日常生活における水分と塩分の摂取について」(2026年6月10日更新)https://www.jpnsh.jp/general_salt_01.html
  • 株式会社大塚製薬工場「経口補水液の適正使用について」(2024年5月)https://www.os-1.jp/pdf_file/9629_OSG3224G01.pdf
  • 全国清涼飲料連合会「熱中症対策」表示ガイドライン https://www.j-sda.or.jp/guideline/regulations_and_guidelines/heatstroke-guideline.php
  • 環境省 熱中症環境保健マニュアル2022 https://www.wbgt.env.go.jp/pdf/envman/3-1.pdf
  • 環境省 報道発表(2026年4月14日)https://www.env.go.jp/press/press_04076.html
  • 日本救急医学会「熱中症診療ガイドライン2024」https://www.jaam.jp/info/2024/files/20240725_2024.pdf
  • Maughan RJ et al. Am J Clin Nutr 2016 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26702122/
  • 伊藤園 健康ミネラルむぎ茶 PET670ml 栄養成分表示 https://www.itoen.jp/products/41679/
  • 一般社団法人Jミルク「ファクトブック 牛乳による熱中症対策の有効性」https://www.j-milk.jp/report/study/berohe000000hpbn.html

最終確認日: 2026年8月30日

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